BLOG

ブログ

留学カウンセラーのリアルホームステイ体験談


こんにちは。留学カウンセラーの坂井です。

今日は私のホームステイ体験談を皆様にご共有させていただきます。

私が訪れた国はオーストラリアで、クイーンズランド州北部の温暖な気候で知られるケアンズの語学学校を申し込みました。
ケアンズは以前先輩が留学していた街で、その際に1カ月ほど遊びに行ったことがある為、他都市に比べ多少なりとも土地勘があったという理由と、都会より田舎環境の方が個人的に好きだったこともあり、海も山もあるケアンズに渡航先を決定しました。飛行機があまり好きではなく、ケアンズが日本から最も近いオーストラリアの都市であることも理由の一つです。

私がオーストラリアを訪れたのは十数年前のことで、その時は留学エージェントのことをほとんど知らず、「手配会社に依頼すると高額な手数料がかかるのではないか(当時は無理留学エージェントの存在を知りませんでした。)」という想いから、学校、ホームステイ、空港ピックアップを自己手配で申し込み、ビザ申請手続きも個人で行いました。(今となっては無料留学エージェントで働いているのですが…)。
私は先輩が留学していた際に通っていたInternational House Cairns Campusに遊びに行ったことがあったため、通学などのことも考えて、先輩と同じ学校に申し込みをしようとしましたが、既に学校が閉鎖しており、その跡地に居抜きで入居していたKaplan International Cairns Campusに通学することを決めました。私は英語が得意でなかったため、英語で書かれた申込フォームに悪戦苦闘しながら、どうにか全ての手続きを終え、渡航することができました。

ケアンズに到着すると何も怪しいものは持っていないにも関わらず、税関で荷物検査に引っかかり、同じフライトで到着した方々から1時間以上遅れてアライバルゲートに到着し、待合室(出迎え場所)のソファーには既に私を迎えに来ていたホストファザー以外誰もいませんでした。
ホストファザーに私の名前を伝えたところ、開口一番に言われた言葉が「I thought you might not come.(来ないかと思った)」です(笑)。
その後、ホストの車に乗り込みステイ先に向かうと思いきや、私を待ちくたびれたのか「コーヒーでも飲もう」とそのままの友人宅に連れていかれ、2時間ほど雑談をした後、ようやくステイ先に到着しました。
飛行機自体は朝5時頃ケアンズに到着しましたが、税関検査やホストの朝のコーヒーブレイク等もあり、ホームステイ先に到着した時には既に午前10時を回っていました。私は飛行機の中で睡眠を取らなかったため、ステイ先到着後は夕方まで寝続けました。ちなみにケアンズ空港からホームステイ先までは車で20分ほどの距離です。

夕方に目を覚ました私は、明日から始まる学校に備えて、登校方法等をホストに確認し、たまたま同日にホームステイをスタートしたフランス人ハウスメイトがいたため、お店が閉まってしまう前にホストの紹介でレンタルした自転車で一緒に買い物に出かけました。オーストラリアでは、週末は夕方でほとんどのお店が閉まってしまうため、ギリギリのタイミングで何とか買い物を終えステイ先に戻ると、私とフランス人女性に加え、スイス人男性と韓国人女性のハウスメイトがいることが判明しました。
ホームステイ先の学生受入人数はせいぜい1~2人程度だと勝手に思い込んでいたため、最初は大変驚きましたが、学校でも家でも文化が異なる環境で生まれ育ったさまざまな背景を持っている方と英語でコミュニケーションが取れたため、結果としては大満足でした。

ただし、事前に学校から送られてきたホストファミリーの情報には一部誤りがあり、案内書には既に引退した60代後半のホストファザーと現役で仕事をしている40代後半のホストマザー、21歳の娘さん、大型犬がいるという情報でしたが、実際のところ、ホストファザーは73歳、ホストマザーは52歳、娘さんは25歳で既に独立して家を出て行っており、正しい情報は大型犬がいるということだけでした。
この仕事(留学エージェント)を始めて分かったことですが、ホームステイを学校に申し込んだ場合でも、実際にホームステイ手配を行うのは学校が依頼する"現地のホームステイ手配会社"であるということがほとんどです。ホームステイ手配会社は私が通っていた語学学校Kaplanに加え、Kaplan以外の学校からも手配依頼を受けており、相当数のホストファミリーの紹介が可能ですが、私がホームステイした時のように「ホストの情報が更新されていない」ということがよくあります。私は「それも含めて海外留学」と思えるような楽観的な性格だったため何とも思いませんでしたが、自分に合ったホームステイ先での滞在を希望される場合は、多少高額になってしまいますが、学校や留学エージェントが直接ホームステイ先と契約している「自社契約ホームステイ」を選択されることをお勧めします。

私のホームステイ滞在がスタートしてから、翌週には新たにスイス人男性2名がハウスメイトとなり、これまで以上に賑やかな家庭となりましたが、ホームステイ先での生活に不満を持っている学生も少なくありませんでした。
私は最初の2週間ほど母屋に滞在しており、部屋もきれいで広く満足していましたが、向かいにある離れに滞在している学生からは「部屋が狭い」「寒い」「騒音がひどい」などの愚痴をよく耳にし、ホストと口論になっている学生の姿も珍しくなく、途中でホストから私に部屋移動の提案がありました。私は住環境に大きなこだわりがなかったため、その場で部屋移動に同意し、その日のうちに離れに移動することとなりました。
これまで私は離れには入ったこともなかったため、移動するまで気づきませんでしたが、離れはどうやら仕事をリタイアしているホストファザーが日曜大工的な感じで作り上げた、言わば秘密基地の様な施設でした。ホストファザーの前職は建築職人等ではなかったため、確かに離れはしっかりとした作りではなく、隙間風に加え、隣部屋からの騒音もあり、お部屋も母屋の10帖ほどのサイズから4帖ほどにサイズダウンしてしまいました。
私はキャンプなどが好きで、その様な環境にも何とも思いませんでしたが、ホームステイ先のハウスメイトや学校でできた友人たちにそのことを話すと「ありえない」ということをよく言われました。

ホームステイ先での食事に関しましては1日2食(朝食・夕食)で、朝食はキッチンにあるシリアルに自分でミルクを入れて食べるといった簡単なもので、夕食はホストが用意してくれました。ただし、ホストファザーは一切食事を作ることができず、食事担当のホストマザーはホテル勤務で夜勤も多かったため、週に1回程度だけですが、夕食の為ダイニングテーブルにつくと、ファストフード店のハンバーガー2個だけという日もありました。ほとんどのホームステイ先ではキッチンで火を使うことが認められていませんが、私が滞在していたステイ先では、コンロを使うことが許可されていたため、食事が足りない時などはハウスメイトが母国の料理等を私たちに振舞ってくれるなどして、私はその環境に甘えていました。
オーストラリアをはじめとした欧米圏の食事は、日本のように品数が多いということは珍しく、基本的にはワンプレート料理が一般的となっています。

多くの学生が昼食は学校近くのコンビニやファストフード店で購入し、学校のラウンジなどで皆とわいわい喋りながらランチタイムを楽しんでいましたが、オーストラリアはとにかく物価が高く、毎日外食となると日本の1.5~2倍のお金が必要になります。幸い私が滞在していたホームステイ先では、前日の夕食の残りをタッパーに詰めて持って行っていいとホストに言われていたため、平日は昼食は持参し、学校がある日のランチはお金をかけずにいただくことができました。私が通っていたKaplanはもちろん、語学学校には学生が使える電子レンジや冷蔵庫が完備しているので、持参したお弁当の管理も安心です。

私がホームステイ先に滞在していたおよそ1カ月の間、卒業に合わせてハウスメイトの入れ替わりもありましたが、10名程のハウスメイトと接点を持つことができ、個人的には学校と同じ位楽しい生活を送ることができました。学校では主に同じ英語レベルの学生(クラスメイト)と一緒に過ごすことが多かったのですが、ホームステイ先のハウスメイトは偶然にもほとんどが上級レベルの英語話者で、学校内外で英語を学ぶことができました。もちろん、部屋問題等でホームステイ生活に満足していない学生もいましたが、「それも含めて海外生活」と思うことで、現地でも柔軟に生活できる能力が身に付くのではないかと強く感じました。自分の思い描いていたホームステイ生活ではなく、さまざまな問題に直面し、それを一つひとつ英語で解決していくことで、学校では教えてもらえない英語が自然と身に付き、良くも悪くも一生忘れられないホームステイの思い出になることでしょう。

最後に私が滞在していたホームステイ先のホストファザーは73歳という高齢にも関わらず、毎日ペプシコーラを5~6本飲んでいました。私が知らないだけかもしれませんが、日本で高齢者がコーラを飲む光景をあまり目にしない為、ホストがコーラを大量に飲んでいる姿を見た瞬間、「オーストラリアに来たな」という実感が湧きました。

これから海外でのホームステイ生活をお考えの方は是非、参考にしていただければ幸いです。